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RIZIN LANDMARK 6 太田忍 vs. 佐藤将光戦感想

10月1日(日) RIZIN LANDMARK 6が行われ、バンタム級の今後を占う対戦がありましたので太田忍 vs. 佐藤将光の試合を独断と偏見の感想を書いていきたいと思います。

 

 

【試合の経緯】

井上直樹選手の欠場により、メインイベントと考えられていた1戦がセミに移動。

太田選手の対戦相手が急遽佐藤将光選手に。

佐藤選手へのオファーが2週間前だったという事もあり、バンタム級ではなく63㎏のキャッチウエイトでの試合となりました。

太田選手は自分の年齢からも遠回りは出来ない、強い選手と戦い勝つことによってバンタムのベルトに挑戦する権利を得たいと話していました。

その思いから井上直樹選手との試合が組まれ、これに勝てば大晦日にアーチュレッタに対戦要求を突きつける青写真がありました。

井上選手の代わりの選手が実力派の佐藤選手となり、太田選手は必ず勝たないといけない試合にRIZINでは知名度はない未知の強豪を倒さないといけなくなりました。

 

太田忍選手はこんな人

2016年リオオリンピック59㎏級銀メダリスト

2020年大晦日RIZIN.26で総合格闘技デビュー。所英男と対戦し、2Rに腕ひしぎ十字固めで一本負け。

RIZIN.30で元K-1 WORLD GPウェルター級王者で総合格闘技デビュー戦の久保優太選手、

RIZIN.33で祖根寿麻選手と対戦し2連勝。

その後RIZIN.37で元谷友貴と対戦し、0-3の判定負け。

RIZIN LANDMARK 5で倉本一真選手と対戦し、1R27秒に右フックでKO勝ち。

超RIZIN.2で瀧澤謙太選手と対戦し、1Rにスタンドバックの体勢からパンチを連打すると、瀧澤が場外に出たところでレフェリーストップとなり、TKO勝ちで2連勝。

レスリング能力に加え、打撃力を身につけ転がしてからのパウンド狙いという戦い方が型となりつつあるファイター。

 

佐藤将光選手はこんな人

昨今の格闘ブームの中では玄人好みの選手に分類される選手。

知名度先行の選手が多い中、経験も実力もあるベテラン。

2007年、パンクラスでプロデビュー以来、修斗、ONEに主戦場を移し、修斗では第十代修斗世界バンタム級王者となり、ONEでも6戦4勝と活躍している。

50試合以上の経験があり、打撃、グランドと両方をこなすオールラウンダー。

34勝のうちKO(TKO)が20,1本勝ちが3とどちらかといえば打撃よりのファイター

 

【戦前のお互いのコメント】

佐藤将光選手

18年間やってきた自分の自信があったので、2週間前でもオファーを受けられました。

とにかく戦いかかったので。

太田選手の印象はメダリスト、フィジカル、パワーがあるという印象。太田選手よりは経験、MMA力で優っている。太田選手に勝つことは番狂わせではなく妥当。

 

過去の試合を観ても15分間フルに使って戦うスタイルも落ち合わせていますので、7戦目の太田選手は佐藤選手にとっては53戦目のいちファイターに過ぎないという印象でした。

 

太田忍選手

佐藤将光選手はトップ選手なので、勝って上に上がりたい。

試合の組み立て方が上手いファイトIQの高い選手、倒してぶん殴る戦い方を押し付けたい。

対戦相手の分析をすることなく自分のスタイルと押し付けて戦うだけなので、対戦相手の変更も問題ない。

佐藤選手とはかなり前にマススパーをやったことがあり、フェイントだけでボコボコにされて、こんな選手と戦っていかなくてはいけないのか?と思ったくらい、尊敬している選手。

 

太田選手はSNS等で朝倉海選手を煽ったり、アーチュレッタにも勝てる等発言したり、とビックマウス。

佐藤将光選手のインタビューでも上を目指していると連発、佐藤将光選手にも勝ってアーチュレッタとタイトルマッチをやると、クレベル選手に重なるような発言が目立ちましたね。

 

【戦前の他の格闘家の予想】

 

ジョビンさん

「太田忍のポテンシャルが高すぎる、しかし、佐藤選手はめっちゃ強い。テークダウンを狙ってもタックルの対応が上手いしパンチが強い。太田選手に勝てる日本人選手はなかなかいないけど、佐藤選手が3R TKO勝ち。でも、太田選手がここに勝ったら、日本人は誰も止められないと思う。格闘界の宝」

 

朴光哲さん

「佐藤選手は教えていたこともあり、頑張ってほしい。知名度と実力がまだマッチしていない。強さは格闘家が口をそろえるほど。

太田選手は最近KOが多く調子に乗っているので、そんな時にやられる可能性がある。」

 

北方大地さん

「レベルの高いMMAを見られるのはこの試合。佐藤選手はタックル切るのもうまいし、バックを取って倒しても立ち上がるのも早い。佐藤選手の膝や肘がバチバチ当たると思う。胴クラッチをしたい太田選手と首相撲をしたい佐藤選手。やっている数では佐藤選手が有利」

 

金原正德選手

「佐藤選手は激闘ファイター試合が全部面白い、組も出来るし、右のパンチも強い。下からの攻撃も出来るしパウンドもある。太田選手は良く受けたなと思いますけどね。

 

ストラッサー起一選手

「佐藤選手の3R TKO。太田選手もレスリングが強いけど、佐藤選手は手足が長く打倒極すべてが強い。

太田選手も右肩上がりで強くなっているけど、佐藤選手にはかなわない、佐藤選手が仮にテークダウンされても寝技の技術もあるから下からの仕掛けることも出来る。

 

急遽試合が組まれた関係で、井上選手との勝敗予想をしている人が多く、変更後の予想が少なかったのですが、格闘家の皆さんは佐藤選手の強さを称賛するコメントが多いように思いました。

 

【対戦のおおよその流れ】

タックルに行く太田選手対テークダウンされない佐藤選手1R

フェイントと長い脚を自在に使い距離を取る佐藤選手。

太田選手は懐に飛び込む機会をうかがいながら、リングを回る展開。

開始30秒距離を詰め、左フックを振る佐藤選手に合わせ、太田選手が胴タックル。

しかし、佐藤選手は上手く半身の体勢となりテークダウンは許さない。

佐藤選手は太田選手のクラッチを切ろうと手を探っている途中、太田選手はジャーマン。

クラッチしたまま、倒すことが出来たが佐藤選手はすかさず、ケージ方向に進みテークダウンを阻止。

バックに回られた佐藤選手だか踵で太ももを蹴るなど細かい攻めを繰り返す。

その責めを嫌がったか、佐藤選手は太田選手と正対することに成功、その直後太田選手がギロチンの体勢となる。

しかし、身長差もあり決まらず離れる。

打撃の攻防ではやはり佐藤選手に分があり、コンパクトなジャブが数発あたり、それを太田選手が嫌がりタックルに行くという展開が続く。

太田選手は金網に佐藤選手を押し込んでも、胴タックルしてクラッチしているため、特に効果のある攻撃ができず、離れ際に右フックを振り回すことくらいしかできない。

離れると佐藤選手のコンパクトなジャブ、首相撲からの膝などがヒット、そしてそれを嫌がりタックル。

残り1分のところで佐藤選手が太田選手の右腕を脇差しながら引き込み、右腕を極めにかかる。

これを何とか凌いで、太田選手が上でガードポジション。

太田選手がパウンドを打つも有効打はなく、そのまま1R終了のゴング。

 

佐藤選手のパンチが入り始める2R

1Rに引き続きフェイントを織り交ぜながら、パンチで攻めに行く佐藤選手と胴クラッチでケージに押し付ける太田選手の図式は変わらず。

しかし、佐藤選手のプレスが強くなり、1Rほどやすやすを胴タックルに入れなくなる太田選手。

開始3分で強引なジャーマンから、初めて佐藤選手の背中をマットにつけさせることに成功するも、大ぶりのフックが不発、すぐに立たれてしまう。

立っても大ぶりフックを振るう太田選手とショートフック、ジャブを多用する佐藤選手。

太田選手のフックはガードで対応し、ショートを当て続ける佐藤選手。

これを嫌ってまたタックル。

離れると佐藤選手は2段の膝やフックを太田選手に当て、一瞬太田選手の動きが鈍る。

効いていないアピールをしながらも下がり、ジャブを数発食らったところで2R終了のゴング。

追いかけながらも的確にコンパクトに当てる技術とテークダウンされても相手の勢いを上手く利用して立ち上がるテクニックが見られたラウンドでした。

 

押さえつけて休む太田選手と打撃を当てる佐藤選手3R

流れは1,2Rと変わらず、プレスをかけ続ける佐藤選手とタックルを仕掛ける太田選手。

太田選手の疲労が顕著になってきて、タックルでケージに押し付けたまま体を預ける時間が長くなる。

レフリーからも佐藤選手からのセコンドからも「アクション」と言われる始末。

組みついている最中佐藤選手は何回か膝を入れ、顔面に細かいパンチや太ももに踵蹴りを入れ続ける。

残り2分を切ったところで膠着状態をレフリーが嫌いブレイク。

その後、佐藤選手がプレッシャーをかけながらジャブをヒットさせ、その流れから左ハイキック。

嫌ってタックルに行くところを佐藤選手が上手くギロチンチョーク。

四の字ロックもしっかりフックさせるも終盤の疲れからか抜けてしまう。

そのまま太田選手が上のガードポジションとなるが、太田選手のパウンドは当たらず、逆にしたから佐藤選手のパンチが当たる。

がむしゃらに振り回す太田選手のパンチは不発に終わったところで試合終了。

太田選手は勝ちを確信したようにガッツポーズ。

 

崩れ落ちる太田選手と笑みを浮かべる佐藤選手

判定、一人目のジャッジは青の佐藤選手、二人目は赤の太田選手。

最後のジャッジは青の佐藤選手。

判定2-1で佐藤選手の腕が上がる。

 

その瞬間、太田選手は崩れ落ち大の字に倒れ、佐藤選手はうっすらを笑みを浮かべ、太田選手をねぎらいに行く。

 

【試合観戦しての感想】

この試合にはRIZINの判定基準をおさらいした方が良さそうなので、RIZINの公式ルールのところをそのままコピペします。

 

1.相手に与えたダメージ(50点)

打撃とグラップリングを同じ重みで考え、効果的な打撃やグラップリング(投げ技・サブミッションなど)による試合への影響度を評価する。
試合への影響度とは、ノックアウトやタップアウトなど試合終了につながる可能性のあるダメージやアドバンテージがあったかどうかを意味する。

 

2.アグレッシブネス(30点)

ノックアウト及びタップアウト等の試合の決着を狙う攻撃についてどちらが上回っていたかを評価する。打撃、投げ、サブミッションなどのダメージ(効果)を評価するものではなく、積極的且つ攻撃的な行為そのものを評価する。

 

3.ジェネラルシップ(20点)

試合のペース、場所、ポジションなどの支配についてどちらが優れていたかを評価する。ただし、スタンドポジション及びグラウンドポジションに占めた時間割合を考慮して評価を行う。

1と2は0点をつけることは出来るが、3のジェネラルシップだけは必ず、どちらかに付けなければならないようです。

なので、相手にダメージを与えるような攻撃が双方にない場合は、どちらが攻勢だったかのみで判定されます。

パンチも蹴りも出ない押し合いの試合だったら、押し込んでいる時間が長い方が勝ちという事です。

今回のジャッジ

松宮智生 青・佐藤 [D0-0 A0-30 G20-0]

橋本 貴 青・佐藤 [D0-0 A0-30 G20-0]

豊島孝尚 赤・太田 [D0-0 A0-0 G20-0]

 

二人のジャッジはアグレッシブネスもジェネラルシップも佐藤選手に入っています。

一人はジェネラルシップのみ太田選手です。

 

個人的感想

正直、2-1に分かれる内容だとは思いませんでした。

対戦のおおよその流れにも書いているように、プレスをかけ続けジャブや膝などを的確に当てる佐藤選手。

佐藤選手の攻撃をかいくぐり、タックルに行く太田選手。

ノックアウト及びタップアウト等の試合の決着を狙う攻撃についてどちらが上回っていたかを評価する。

この判断基準からみるとどちらがそれに近かったかを見た場合、佐藤選手にポイントが入ってもおかしくないと思いました。

ダメージとまではいかないものの、2,3R は太田選手は明らかに打撃を嫌ってタックルに行っているように見えました。

太田選手は強いの?

レスリング能力とフィジカルは相当強いと思います。

しかし、この戦いを見る限り打撃をもらう恐怖心があるように見えてしまいました。

軽いジャブでも下がるし、大きな攻撃をもらうと動きが止まるところからそう感じました。

また、太田選手の勝ち筋は今のところ、レスリングで試合を支配することと、パンチを当てることくらいなのかと思います。

ケージに押し込んでもその後の展開が離れ際のパンチだけ。

寝かせても決めることが出来ないし、この対戦ではパウンドさえ当たっていなかったです。

身体能力の評価が高いだけに凌ぎきる戦いは出来ても、制圧する戦いはまだ出来ていないのかと思います。

とはいってもまだ7戦目。それも相手が佐藤選手。

時間が無いと本人は言っていますが、これからどんな戦いをみせてくれるのか?

次戦は井上選手との再戦なのか?楽しみです。